株式会社ユニリタプラスは、ユニリタグループの一員として、西日本の顧客に特化したITサービスを提供している。データ活用ソリューションを中心に、業務改善とビジネス成長をサポートするなど、顧客の立場に立って課題解決を行う「サクセスパートナー」として最適なソリューションを提案し続けている企業である。
設立から8年、「徹底的な顧客視点」を強みとして、基幹系システムの連携や会計、販売管理、物流など、顧客の業務に密接に関わる多様なソリューション提供を行っている。近年では特に、ローコード開発を使用したフロントエンドの開発などに注力している。
本稿では、同社がローコード開発プラットフォーム「Wagby Enterprise Edition(以下Wagby EE)」を活用して顧客の課題を解決している経緯とその活用方法について、ソリューション&サービス部 副部長兼セールスエンジニアチーム リーダーの山本氏と、同部署でCSエンジニアチームに所属する有城氏に話を伺った。
同社では、以前使用していた自社のWeb開発基盤製品のライフサイクル終了に伴い、長らく新たなローコード開発基盤を探していた。そこに舞い込んだ一件の依頼が、Wagby EE導入のきっかけとなったのだ。
それは、ある顧客の基幹系システムで使用されていた国産データベースへの対応である。多くのローコード製品ではこのデータベースがサポートされていない中、山本氏は以前体験版をインストールしたことがあったWagby EEに着目した。
この要望に応えるため、同社はジャスミンソフトとアライズイノベーションへ相談した。両社との協議の結果、データベースとの連携が可能であることが確認された。この確認を受けて、ユニリタプラスは迅速に製品の採用を決定したのである。
さらに上記に加え、体験版で実感した国産製品ならではの理解しやすく導入が容易であることや、顧客への提供価格が低コストで提案しやすい価格帯であることも採用の決め手となった。
この対応により、ユニリタプラスは顧客の要求に応えることができただけでなく、特殊なデータベースにも対応できる柔軟性の高い製品を導入することに成功した。この経験は、同社の製品ラインナップの拡充にもつながり、より幅広い顧客ニーズに対応できる体制の構築に寄与したのである。
現在、同社ではWagby EEを様々な形で活用している。
一つの例としては、近年は請求業務のクラウド化が進み、請求書の電子配信システムなどが普及してきている。しかし、基幹系システムからクラウドへのデータ連携に課題が残されていた。
特に、基幹系から連携されたデータをクラウドに入力する際、チェック作業が経理部門の大きな負担となっていた。この課題に対し、データをチェックしてWeb化するソリューションを提供し、クラウドへのデータ連携時の入力処理を効率化することで顧客の業務負荷を軽減している。
また、APIを活用した事例として、物流系システムの刷新がある。従来Accessで構築されていたシステムが担当者の退職によりブラックボックス化していた問題に対し、WagbyEEでアプリケーションを新たに作成して提供した。フロントエンドはHTMLとJavaScriptで作成し、バックエンドはWagbyEEで動作させるという柔軟な構成を実現している。
このように、同社ではWagbyEEを活用し、データ連携の効率化からレガシーシステムの刷新まで、幅広い顧客ニーズに柔軟に対応している。
Wagby EE導入の成果として、エンジニアチームの有城氏は「Wagby EEのAPIを使用してバックエンド処理のみを任せる形のアプリケーションを作成することもあるが、これまでスクラッチで作成していたバックエンド、データベース処理の開発をローコードで行うことで、大幅なカスタマイズ以外では開発コストを下げることができている」と語った。
その他にも、Wagby EEの導入により、同社は多くの効果を実感している。
テンプレート化による応用展開、手軽にビジュアルを確認しながら開発を進められる操作性、コーディング上のセキュリティ面のカバー、特筆すべき点としては、Wagby EEはアプリケーションと共にWebサーバーのコンテナも生成するため、顧客への展開はもちろん顧客側の導入も非常に容易になった。
Wagby EEで開発されたアプリケーションは、受注管理、在庫・販売管理、顧客情報管理、請求書発行、経費精算、データ入稿などの業務を抱え、データ入力から出力までの一貫したプロセスの改善を求める組織、コスト効率の高いシステム開発を必要とする企業や部門に適していると同社は考えている。
Wagby EEを活用することで、業務プロセスの効率化だけでなく、将来的な技術変化にも柔軟に対応できる基盤を構築することができる。
受注・販売・経理などで、帳票データの入力や連携に課題を感じている企業は、ぜひ同社に相談をしてほしい。
株式会社ユニリタプラス:https://www.uniritaplus.co.jp/websystem
同社は、今後もWagby EEを副商材として積極的に展開していく方針である。特に、データのエントリーやチェックを簡単に行えるソリューションを提案し、その後の自社のデータ活用や帳票作成を実現するミドルウェア提案まで一貫して提案することで、顧客の負担を軽減できる形を目指している。
また、生成AIの台頭にも注目しており「今後2-3年でローコード開発と生成AIの組み合わせが主流になる可能性を見据えている。我々は、こうした技術トレンドに遅れることなく、顧客のニーズに応え続けることを目指している。」と山本氏は語った。同社は、こうした価値提供を通じて、顧客の業務改善と成長を支援し続けている
会社名 | 株式会社ユニリタプラス |
所在地 | 大阪府大阪市中央区博労町3-6-1 御堂筋エスジービル5階 |
Webサイト | https://www.uniritaplus.co.jp/ |